たった1人で32巻もの人物素材集DVDを発売することができた理由

人物切り抜きDVD

数ヶ月前、とある建築パースのセミナーに行った時のこと。

素材集を買ったことがある何人かに驚かれたのが、

えーっ!一人で作っていたのですか!

人物素材集DVDとは何なのか

cutoutpeople人物切り抜き

建築CG制作向けに作った人物切抜き素材集です。

建築CGとはまだ建設していない段階で、図面からリアル建築予想図を作ります。

その建物ににぎわいやスケール感を出すために人物切り抜きを配置することがあります。

人物切り抜き外国人

PIXTAなどのストックフォトサイトで売っているものを

切れ抜けばいいではないかと思いますよね。

(アトリエブラウンと一緒で肖像権の問題もクリアになっているわけですし・・)

いやいや 実は大きな違いがあるのです。

上の画像のように1組の女性が並んでいるとして、

5アングルのデータが全てそろっているのです。

人物5アングルデータ

正面、斜め前、横向き、斜め後ろ、後ろ向き

建物シーンに配置する時、

あ、この人は後ろ向いていてもらいたい、

この子供は斜め前がいい。

というようにです。

だからこの人物素材集は業界向けの特殊な素材データといえます。

なぜ人物切り抜き制作を始めたのか

アトリエブラウン代表の私ですが、

23才の時、フリーの建築パース屋として独立しました。

それから10年間は筆と絵の具とエアーブラシで描いていました。

手描き建築パース

その後15年目にパソコンとCGの波がやってきたので切り替えました。

3DCGで建物を作って、Photoshopで人物や樹木を入れる作業です。

そこで人物切り抜き素材がないことに困り、自分でやってみようと始めたわけです。

言わば、サイドビジネスでした。

屋外の広場で自らカメラマンをやる

モデルはその当時、求人広告で集めました。

そのモデルにとある広場に来てもらって、

契約書にサインしてもらい、

いろんな角度から撮影させていただきました。

洋服を5〜6回着替えていただきバリエーションを多くしました。

そのうち帽子、靴、洋服などを用意して

カートで押しながら撮影現場に行っていました。

全て一人でやりました。

屋外撮影していたのは20巻分、10年間撮影したのですが、

いろいろなことがたくさんありましたね。

若いモデルの子たちが何の連絡もなく来なかったり、

撮影中子供がいたずらしたコーヒーが2階から流れて来て衣装が台無しになったり、

あるときはイベントとガチあってしまい、

どいてくれやめてくれと主催者からひどい仕打ちを受けたり・・

もうやめようと思いつつ、なぜかDVD何巻も出し続けました。

競合はどうだったのか

アトリエブラウンより前に、人物素材集を出していた会社があります。

一枚3万円以上して、収録されているのは

アトリエブラウンDVDの5分の一ほどです。

(ちなみにアトリエブラウンはDVD一枚 定価 18,000円です。)

その会社は最初は勢い良かったのですが、

ほかの事業に重きを置いたのか新発売しなくなってしまいました。

その後、2社ほど法人が参入して来ましたが、

なぜだか1巻を発売した後、音さたなしです。

あまり儲からないとわかったのかもしれません。

モデルと撮影料金は重くのしかかるのに対してそんなに大きな市場ではないのです。

ローコーストで撮影し、とにかく新発売を重ねました。

逆にいうと企業のようにきっちりお金をかけられない環境だったからです。

とにかく今のところ一人勝ち的な位置にいます。

これから先はわかりませんが・・

さて、お客様に使っていただいた画像を紹介したします。

国立新競技場です。新聞より転載

ショッピングセンター開店の広告より転載

人物素材というのは時代によって、ファッションが変わるので常に出していないと

お客様のニーズに応えられなくなってしまいます。

そのため、おとなしいファッションで撮るのが暗黙の了解です。

しかしアトリエブラウンはちょっとクセのあるファッションも収録したりしています。

なんでも一人でこなす根性がありました

  • モデル手配
  • 衣装選び
  • コーディネート
  • 撮影
  • 写真セレクト
  • 切り抜きの後の画像処理
  • DVDオーサリング作業
  • DVDジャケット、カバーデザイン
  • ショップに商品登録
  • ブログで宣伝
  • クレーム処理

わからない分野はとにかく調べて行動して身につける。

そのころに、

制作において自分にできないことは多分ないだろう、

という自信がつきました。

出来の良し悪しは別としてですが・・

それは今につながっています。

3D人物の作り方なんてどこにも本があるわけでなく、

日本でやっているのがゲームと3Dプリンター業界だけです。

海外のサイトを片っ端から検索したらやり方っぽいのが出て来たんです。

それにヒントを得て、

自分流の作業工程を生み出しました。

まだまだこれから超える山が多すぎるのですが、

ま、なんとかなるでしょう。

外国人撮影に3D人物と、次々発展するアトリエブラウン

結局お客様ありきなのです。

お客様がこう望んでいる、

次はあれを欲しがっているというのをキャッチし、

取り入れていくことだと思います。

数年前より、長いアドバイスをいただいたお客様のところに

取材に行かせてもらうことも増えました。

そのニーズに沿って人物構成やポーズを作っていけば間違いないはずです。

これからもお客様に育ててもらうつもりです。

屋外で撮影した人物素材は20巻となり、そこで区切りました。

新しいDVDシリーズにし、東京のスタジオを借りて、

要望が高かった外国人を撮影しました。

その後はそれと並行して3D撮影です。

3Dは特殊なスタジオなので私が撮影するわけにはいきませんが、

難なく撮影を終えています。

まとめ

たった一人で全てをやって来ましたが、やれないことはないということです。

企業が同じものを出そうとしたら、

カメラマンやモデル、スタジオにお金をかけて

何人がかりで編集するでしょうか。

しかし、今まで一人でやって来ましたが、方針を変えることにしました。

チームで仕事をするときがすぐそこまで来ています。

何人分も働いて来た経験を生かしながらスタッフと仕事をしていきたいと思います。

アトリエブラウンのマークとロゴ

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